2023.11.18 11月イベント 「米国大学における教育機会とDEI」

講師:伊藤公一氏

伊藤公一氏から、アメリカの大学におけるDEI(Diversity, Equity, Inclusive)を中心とした米大学の多様性社会についてお話を伺った。

【スピーチと質疑応答】

アメリカの最高裁判所による、Affimative action(肯定的処置)に対して、違憲判決が出されたことを契機に、アメリカの大学におけるDEI(Diversity, Equity, Inclusive)の話題を話していただいた。アメリカの大学の例として、イエール大学が引き合いに出され、問題提起された。一例は、入試方式である。アメリカでは、イエール大学を含め、トップ大学の入試方式でAffimative actionが取られている。この入試方式によって、大学側は多様な学生を受け入れている一方で、そのために人種や学生のバックグラウンドによる選別をしている可能性をお話の中では触れられた。この問題点の例として、人種による学力試験の成績データが公開されず、その基準が不透明であることや、学問の裾野が広がりすぎていることが挙げられた。また、Affimative actionによる学問の発展が期待されているが、むしろそれを妨げる可能性がある点についてもお話いただいた。その後、DEIの難しさや、アメリカの私立大学と日本の大学の寄付金の違いについて議論が推められた。このように、スピーチでは、DEIを重視すべき、という風潮のなかで、なぜ必なのかを考えるきっかけをいただいた。

【グループ・全体討論】

全体討論では、アメリカの大学の事例から発展し、日本の事例に話題が広げられた。この日本の事例では、参加者にとって、身近な例から始まり、公正性や包括性に焦点を当て、議論が進んだ。例えば、高校から大学に入る時点で、DEIが配慮されているのかというテーマである。そこでは、日本の高校教育には、教育環境の格差があることや、学生が各大学の権威性を意識しすぎていることが挙がった。また、オーストラリアに留学中の学生から、「セーフプレイス」の話が挙がり、話し合われた。このとおり、全体討論では、伊藤氏からのスピーチをもとに、DEIの必要性を様々な角度から議論した。

【全体私感】

今回のフォーラムは、とても印象的なものだった。私自身、世の中で起きている問題や解決策に対して、懐疑的にみるのではなく、盲信的に物事を捉えていることがある。ただ、今回のフォーラムを経て、一つの見方ではなく、批判的側面を含め、多面的にみることの重要性を実感した。アメリカの大学のDEIの導入のように、一般的に良い評価を受けているようにみえるものも、一つ見方を変えてみると、他の問題の引き金になりかねない。同調圧力があるこの世の中でも、他人の意見を受け入れ、自分の考えの幅を広げる必要があると学んだ。

東洋大学国際学部3年 岸野来美

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