2023.7.01 7月イベント 「The Artemis Program: Plans to Return to the Moon」

講師:米国航空宇宙局 アジア担当代表 Garvey McIntosh氏

昨年11月以来、2度目となるご講演を、米国航空宇宙局(NASA)のアジア担当代表であるGarvey McIntosh氏からいただいた。今回は壮大な宇宙開発産業プロジェクト「アルテミス計画」を中心に、月面着陸という象徴的な計画について、またそれに関わる国際的なパートナーシップについて、大変貴重なお話を聞くことができた。

【スピーチと質疑応答】

米国航空宇宙局(NASA)のアジア担当代表であるGarvey McIntosh氏をお招きし、壮大な宇宙開発産業プロジェクト「アルテミス計画」を中心に、NASAが主導する象徴的な月面着陸プロジェクト、そしてその推進において重要な役割を果たす国際的パートナーシップについて詳しくお話しいただいた。質疑応答の時間では日本が担う役割やその中にある課題、そして現在の国際情勢がどのように影響するかについても触れていただき、実際に宇宙開発産業の核心で働く方からの直接的な話を通じて、我々もその壮大で夢のような世界を体感することができた。

【グループ・全体討論】

宇宙開発産業の目標の一つである「地球外居住計画」に巨額を投じることの是非について討論した。我々の住む地球の資源は限られており、人類の持続的な破壊活動が続けばやがて限界が訪れると考えられる。討論では、地球外での生活の場を準備し、それに必要な技術開発を進めることは長期的な視点から見て人類にとって有益であるとの意見が出された。さらに、Garvey McIntosh氏のご講演を受けて、国際関係の発展に対する視点から、日本が地球外居住計画に関与することについての意義についても意見交換がなされた。これらの議論は、我が国の役割や他国との関係を考えるきっかけにもなった。

【全体私感】

自分の専門分野が理系であるため、宇宙産業についてお話を聞く際には自然と技術面に惹かれる。ところがGarvey McIntosh氏が語るNASAの宇宙開発産業は、単に技術やビジネスの問題だけでなく、国際関係や政治的問題も含む広範な視点で展開されることが私にとって非常に新鮮であった。時として、宇宙開発産業プロジェクトは時代の影響を受けたり、強い制約に直面することもある。しNASAがこれまで築いてきた実績と信頼、そして使命があるからこそ、世界各国から企業、政府、団体が集まり、協力的な関係を結んで仕事をする意欲を持つ。その結果、国籍性別を超えたチームがこのような壮大なミッションに一丸となって挑むことが可能なのだというお話が非常に印象的であった。また前回に続き、今回もプロジェクトに対する日本の貢献度について多く触れていただいた。このような貴重なお話を聞くことができて大変光栄であった。

青山学院大学大学院理工学研究科修士2年 田中 里奈

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